森里海連環学とは

ユニット長挨拶

我が国は海に囲まれた森と里の国です。日本列島の中心を走る脊梁山脈に降った雨は、森をはぐくみ、里を潤し、日本海や太平洋に注ぎ、豊かな海の生産を支えます。この様な水を通した森、里、海そして人のつながりは、決して一方通行ではなく相互に関係するものであり、それを連環と称します。生態系の連環は程度や質の違いはあっても地球上の全てにおいて成立する関係です。また、自然だけでなく、人間の活動や生き方が連環と深く関わっています。地球のシステムには長期間の人間活動の影響が蓄積され、ついに閾値を超えたかのように複雑で深刻な地球環境問題が発生しつつあります。一方、これまでの科学は、研究対象を個別細分化して、深く掘り下げる方向に発展してきました。環境や生態系研究においても同様であり、森の研究者は森を、海の研究は海しか見ませんでした。しかし、そのような個別の観点だけでは決して地球環境問題は解決しないことが分かってきました。すなわち、森と川と海、そして人間との深くて密接な連環の解明こそが、問題解決の鍵であり糸口となります。

この様な生態系間のつながりを、京都大学では「森里海の連環」とよび、森里海連環学の教育と研究を通して、我が国の健全な国土の再生をめざしています。森里海連環学では、持続可能な社会をめざした自然環境の価値と評価の基準、それを管理する社会の仕組みが極めて重要です。すなわち、森里海連環学は、自然科学にとどまらず、経済学、法学、社会学など文系的な視点も含めた分野横断的学際融合科学です。森里海連環学を基盤とした高等教育を行うために、私たちは京都大学に「森里海連環学教育ユニット」を設立しました。本事業によって多数の優秀な人材を社会に送り出し、そうした人材が、これまでにはなかった視点、すなわち陸域との連環を重視した沿岸管理と海への影響を考慮した流域管理を担い、国際的にも活躍することを期待しています。

森里海連環学教育ユニット ユニット長 

fig-jp

pagetop
Search