2016年11月13日に森里海国際セミナー「国際連携を通した森里海連環学研究と実践活動の可能性」を開催しました。

2016年11月13日に、タイのバンコクにあるノボテルバンコク・サイアムスクエアで開催された第11回「インドシナ地域の教育研究連携に関する大学間ワークショップ」において、2016年度森里海国際セミナーとして、Possibility of research and outreach activities for studies on the Connectivity of Hills, Humans and Oceans (CoHHO) through international cooperation(国際連携を通した森里海連環学研究と実践活動の可能性)を開催し、45名の参加がありました。

 このワークショップは、タイのマヒドン大学で翌14日に開催された「アジア諸国に展開する地球環境学の教育・研究連携に関する国際シンポジウム」のプレ・ワークショップとして行われたものです。

 CoHHOプログラムでは、アジア地域、特に立地に優れるベトナムを中心に、森里海連環学研究の実施や海外教育研究拠点を形成するため、これまで海外の研究者と継続して研究交流を行ってきました。今回の国際セミナー「国際連携を通した森里海連環学研究と実践活動の可能性」では、森里海連環学研究とベトナムでの拠点整備の可能性について議論しました。

 セミナーでは、最初に森里海連環学教育ユニットの吉積巳貴特定准教授から、森里海連環学の研究内容やベトナムにおける共同研究課題の可能性について紹介された後、同ユニットの清水夏樹特定准教授から、日本におけるエコツーリズムの概念について、また平安女学院大学国際観光学部の山本芳華准教授から、持続可能なグリーンツーリズムとして奈良の日本茶の事例について報告がありました。そして、ベトナムにおける研究活動報告として、フエ農林大学のTran Thanh Duc講師(Ngo Tung Duc講師)と地球環境学堂の小林広英准教授から、ベトナムのフエ省山間部ホンハ社における地球環境学堂による伝統建築によるコミュニティハウスの建設事業の紹介とともに、同地域で実施され始めたエコツーリズムの現状と可能性についての報告があり,またフエ農林大学のLe Thai Hung講師から、このコミュニティハウスの地域住民による管理システム構築の課題と可能性について報告がありました。次に、フエ科学大学Nguyen Ngoc Tung建築学科副学科長から、フエ省におけるエコツーリズムの現況について発表が行われました。最後に、Tran Thanh Duc講師からフエ省沿岸部の魚の大量死問題による沿岸集落の影響についての緊急報告がありました。

 質疑応答では非常に活発な意見交換がありました。エコツーリズムに関しては、アジア各国で様々な取り組みがされていますが、その活動の内容は様々であり、森里海連環を目的としたエコツーリズムの定義や指標を基に、比較調査することが重要なのではないかという意見があり、今後の共同研究課題としての可能性が認識されました。また、魚の大量死問題に関しては、沿岸域の生態系や水質などの基礎的な情報が不足していることから、問題原因を解明できない状況であることが、同ユニットの横山壽特定教授や地球環境学堂岡本侑樹特定助教からの指摘もあり、この点の今後の研究を進める必要性が認識されました。またベトナム中部では、すでにフエ農林大学、フエ科学大学、そして地球環境学堂などが今まで実施してきた研究成果も多くあることから、この研究成果を取りまとめる必要性と、それらの研究課題を基にした国際協力事業を展開する可能性があることなどが認識されました。

 最後に、フエ農林大学のLe Van An学長、ダナン工科大学のTran Van Quang環境学科長、フエ科学大学のNguyen Truong Tho国際交流部長から、森里海連環学に関する国際共同研究の意義やより活発な研究者交流の必要性などについてコメントをいただきました。本セッションの総括として、副ユニット長でもある地球環境学堂の柴田昌三教授より、ベトナムなどのアジア地域における森里海連環学研究の研究課題についてとりまとめがあり、本セッションは成功裏の内に終了しました。

 

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